身ごもりましたが、結婚できません~御曹司との甘すぎる懐妊事情~
凛音は首を横に振り、さらに強くしがみついて柊吾の肩に顔を埋める。

柊吾もそれに応え、まんざらでもない顔で抱きしめ返した。

「だったらどうした? こうして飛び込んでこられるのはもちろんうれしいが、写真集は見なくていいのか? 俺も凛音と一緒に見るのを楽しみにしながら帰ってきたのに」

写真集という言葉を聞き、凛音はぴくりと震えた。

瑠依が手配したに違いない写真集のせいで瑠依に嫉妬しているとは知られたくない。

「凛音? どこか痛いのか? それとも急に食べて、また吐き気がするのか?」

凛音の様子をどうにか確認しようと柊吾は何度も声をかけ、抱きついたままの凛音の顔を見ようとする。

そのたび凛音は首を横に振って拒み続けた。

「なんだなんだ? 突然甘えたくなったか……それなら俺は大歓迎だぞ」

柊吾はいつまでも頑なな態度を続ける凛音に焦れる様子も見せず凛音の頭をリズミカルにポンポンと叩いては「痩せたな」「髪は伸ばしてるのか? 長いのも似合ってるな」などととりとめのない話を続けている。

それどころか。

「なあ、ここまで俺にしがみついて離れないほど、俺が好きなのか?」





< 131 / 256 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop