身ごもりましたが、結婚できません~御曹司との甘すぎる懐妊事情~
社内で柊吾の存在は広く知られているが、仕事の面だけでなく見た目の良さでも柊吾は注目されている。

今夏新たに発売したビール『プレミアムネクスト』の売れ行きが絶好調で、その開発プロジェクトのリーダーを務めていたのが柊吾だ。

プレミアムネクストは国内外の権威ある賞を複数受賞し、その授賞式の壇上に瑞生と柊吾が並んで立つたびその見目麗しい姿は話題を呼んでいる。

凛音は目の前で朝食をとる柊吾の整った容姿に見とれつつ、マスコミからの柊吾へのインタビューのオファーが途切れないのも無理はないとひとりうなずいた。

「どうした? ゆっくりしてる時間はないだろ。早く食べろよ」
 
柊吾をぼんやり見ていた凛音は、ハッと椅子に座り直した。

「あ、はい」
 
凛音は時計を見て慌てた。

柊吾に見とれている場合ではないのだ。

「あまり食べてないな。体調が悪いのか?」

「え? いえ、大丈夫です。少し眠いだけで」
 
凛音の手元の皿にはクロワッサンやサラダがほとんど残っていて、普段ならおかわりをするコーヒーも少し口をつけた程度だ。

急いで食べないとまずいとわかっていても、食欲がなく手が伸びないのだ。




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