身ごもりましたが、結婚できません~御曹司との甘すぎる懐妊事情~
柊吾はさらりとそう言って、凛音を抱き寄せた。

そして凛音の頭に顔を埋め、小さく体を揺らし始める。

左右にゆらりゆらり、そののんびりとしたテンポに身を預け、凛音も柊吾の背中に手を回した。

柊吾の背中には綺麗に筋肉が乗っていて、昨夜そこに何本もの赤い線を残したのを思い出した。

どこまでも高みに押し上げられ、何度も柊吾の背中に爪を立てたのだ。

「背中、痛くないですか?」

柊吾の胸に顔を押しつけ、くぐもった声で尋ねる。

ミミズ腫れを起こしていないか心配だ。

「ああ。まったく。あれは凛音を気持ちよくさせたご褒美だからな。もっとつけてくれていい。ただ、直接自分で見えないのが残念だな」

柊吾はのどの奥で小さく笑った。

「ご褒美って……」

「だから今度俺が帰ってきたら、背中だけじゃなく胸に爪を立ててくれていいぞ。となると、どう凛音を抱けばいいんだ? 後ろから……じゃ無理だしやっぱ向かい合って――」

「柊吾さんっ、もういいですから。恥ずかしすぎます」

露骨な言葉が続きそうで、凛音は慌てて柊吾の口を手でふさいだ。

寝室での出来事を明るい時間に持ち出されても、ただ照れくさいだけだ。




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