身ごもりましたが、結婚できません~御曹司との甘すぎる懐妊事情~
そんな凛音の様子を柊吾は楽しげに見下ろしている。

「は、早く準備をしないと、遅刻しますよ」

「わかってる。あと少しだけ」

それからしばらくの間、柊吾は凛音の髪を指先でもて遊んだりうなじにキスを落としたり、もちろん唇にも深く甘いキスを繰り返したり。

なされるがままの凛音の体を名残惜しそうに触れ、味わった後。

「凛音」

ふと真面目な声音で柊吾が凛音の顔を見つめた。

「帰ってきたら、話したいことがある」

言い聞かせるような声と黒目に宿る強い意志。

凛音は柊吾の覚悟を感じた。

「……わかりました」

いよいよ見合いの話を打ち明けるのだろう。

すでに凛音の答えは決まっている。

凛音は胸に溢れる苦しみをやり過ごし、真剣な面持ちでうなずいた。

「よし。お仕置きされるようなことはせずに、いい子で待ってろよ」

素直にうなずいた凛音に安心したのか、柊吾は晴れやかな笑顔で凛音を抱きしめた。
 




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