身ごもりましたが、結婚できません~御曹司との甘すぎる懐妊事情~
ここに赤ちゃんがいる。

柊吾の赤ちゃんがお腹の中で育っている。

凛音はお腹とモニターに映る豆粒のような影を交互に見ながら気持ちが高ぶるのを感じた。

「……うれしい」

自然と口を突いて出た言葉は震え、喜びで目はうるうる揺れている。

「八週目ですね。つわりが始まっているみたいだけど、どんな感じ?」

「朝、起きたときがつらくて……少し食べると楽になるんですけど、量はそれほど」

今朝もしっかりした食事はできず、苺ムースを食べただけだ。

水すら体が受け付けず炭酸水を飲んでいる。

「妊婦さんによってつわりの具合も出産までの経過も違うのよ。今は食べられるものを食べられるだけ食べていればいいわよ。つわりは赤ちゃんが順調に育っているお知らせのようなものだし大丈夫」

「順調……ありがとうございます」
 
体調不良の原因が妊娠で、赤ちゃんは順調だと聞いて凛音はホッと胸をなで下ろした。

安心したせいか吐き気も治まったような気がして、単純だなとも思う。

同時に、お腹の中にいる柊吾との赤ちゃんをしっかり守っていこうと誓った。

「岡崎さん、未婚のようですがパートナーの方の協力は大丈夫ですか?」




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