身ごもりましたが、結婚できません~御曹司との甘すぎる懐妊事情~
両親の離婚後、凛音は母からの愛情を十分に受け大切に育てられたが、それでもやはり寂しかった。

頻繁に瑠依が訪ねてきても、それは変わらなかった。

凛音は父が大好きだったのだ。

自分が携わった建築物を凛音や瑠依に見せ、誇らしげに胸を張る姿は子どもながらに眩しくて、凛音にとって自慢の父だった。

いつか父と一緒に大きな家を建てたいと、そう思っていた。

「私も……美術館とかホテル……一緒に設計したかったな」

凛音は力なくつぶやいて写真集に手を伸ばした。

「あっ……」

ぼんやりしていたせいか取り損ね、写真集はラグの上に落ちてしまった。

その衝撃でカバーと帯が外れ、凛音はソファから慌てて降り、それを拾い上げた。

「大丈夫かな……」

瑠依に頼んだに違いないが、柊吾がせっかく手配してくれた写真集だ。

綺麗なまま持っておきたい。

凛音はカバーと帯にしわや折り目がついていないのを丁寧に確認し、写真集にセットしようとした。

「なに、これ」

カバーを外した写真集本体の表紙部分に、本庄遙人のサインと日付、そして105という数字のスタンプが押されている。

「105?」




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