身ごもりましたが、結婚できません~御曹司との甘すぎる懐妊事情~
「なにブツブツ言ってるのよ。壬生課長が凛音のことで知らないことなんてないでしょう? 凛音をこの部屋に住まわせて離そうとしないし会社でも社長に凛音の監視……じゃなくて見守れって……とにかく、凛音が大切で仕方がないのよ。ほら早く食べよう」

史緖はそう言ってさっさと席に着き、割り箸を綺麗に割って両手を合わせた。

「いただきます。ほら、凛音も早く食べたら? お酢をたっぷりかけて食べるんだよね。それを聞いたとき壬生課長、忙しすぎていよいよおかしくなったかとびびっちゃった」

早速唐揚げを口に運びながら、史緖はおかしげに笑い声を上げる。

「夕方北海道から部署に電話があってね。何故か最後に仕事でなんの絡みもない私に回ってきたの。それでね――」

「史緖、その電話って柊吾さんから? 仕事は順調そうだった? 元気にしてた?」

史緖の隣りの椅子に腰掛け、凛音は続けざまに質問を浴びせる。

凛音にも一度電話が入ったのだが、入浴中で出られなかったのだ。

メッセージも届いていて、これから工場の知り合いたちと飲みに行くとあった。

折り返し電話をしたかったが、宴席で楽しんでいるなら悪いと思い控えたのだ。



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