身ごもりましたが、結婚できません~御曹司との甘すぎる懐妊事情~
もぐもぐとおいしそうに食べる凛音に、史緖は苦笑する。

席に戻るとテーブルには南蛮漬けやピクルスも並んでいて顔をしかめた。

「ねえ、これってまるで妊婦さんが欲しがるイメージのものばかりだね。……え、まさか」

手にしていたワインと凛音を交互に見つめ、史緖は「はあ?」とつぶやき天井を見上げた。

「まさか、体調が悪いって、妊娠?」

「んっ」

凛音はむせ、慌てて手元の炭酸水を飲んだ。

「えっと、あのね。実は……」

「酸っぱいものばかり食べてるし、それにワインを飲まないのは妊娠したから? 間違いないよね」
 
テーブルにワインを置き、史緖は凛音ににじり寄る。

「で、病院には行ったの? それに壬生課長には言った? 赤ちゃんのお父さんは壬生課長だよね」

床に片膝をついて凛音を見上げ、史緖は目を細めた。

「ん……。もちろん。柊吾さんの赤ちゃん」

凛音は頬を染めてにっこり笑うと、まだ平らなお腹を愛しげに撫でる。

「八週目なんだって。ちゃんと心音も聞いたし元気なの」

「あ……そ、そう。おめでとう」


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