身ごもりましたが、結婚できません~御曹司との甘すぎる懐妊事情~
「ありがとう。でもつわりで食べられないときも多くて大変。だけどこの塩焼きそばは大丈夫みたい。持ってきてくれて助かった」

「それは壬生課長が……凛音が食べたがってるだろうから持っていてくれって……。え? 壬生課長も凛音が妊娠したって知ってるってこと?」

史緖は思い出したように声を上げた。

「ううん。それはまだ言ってなくて……柊吾さんが出張から帰ってきたら報告というか、まずは色々と話してみなきゃって思ってて」

「色々?」
 
史緖が目を細め、低い声でつぶやく。

「あ……うん。柊吾さんにも色々と事情があって」

「はあ? 凛音が妊娠したっていうのに事情ってなに。まさかあの壬生課長が凛音の妊娠を喜ばないとでも思ってるの?」

「そ……そういう訳じゃないんだけど」

史緖に詰め寄られ、凛音は答えに詰まる。

凛音と柊吾が恋人同士ではないと知っていている彼女に、適当なごまかしは通用しない。

それにセフレとの子どもを身ごもり喜ぶなんて信じられないだろう。

それどころか色々と言う言葉でひとくくりにした中に、柊吾のお見合いが含まれると聞けば、たちまち怒り出すに決まっているのだ。



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