身ごもりましたが、結婚できません~御曹司との甘すぎる懐妊事情~
けれど、ひとりで柊吾の帰りを待つ凛音を気にかけ史緖を寄越してくれた柊吾の思いやりに触れ、その後ろ向きな感情がほんのわずか、和らいだ。

穏やかな空気がふたりの間を流れ、凛音が空になった史緖のグラスにワインを注いだ。

「このワインおいしいよ。出産を終えたら、あのセラーにあるワイン、一緒に端から順に全部飲もうね」

「ふふっ。いいね。だけど出産後しばらくは母乳をあげるからお酒は飲めないみたいだよ」

「そうか……。私も色々勉強しておくね。出産にも立ち会いたいけど、家族じゃないとそれは無理かな……で、どこの病院で産むとか決めてるの?」

「ううん。今日行ったクリニックには出産設備がないから次の検診で先生と相談することになってる」

「そうなんだ。せっかくだから食事がおいしい病院がいいね。あ、今探してみようかな。まあ、壬生課長が調べ上げて芸能人御用達の豪華な病院あたりに決めそうだけどね」
 
史緖は手元のスマホを手に取り、画面を開いた。

その途端、驚いたように目を丸め、小さくつぶやいた。



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