身ごもりましたが、結婚できません~御曹司との甘すぎる懐妊事情~
「あ、でも。ちょっとした買い物。夕食の買い物に行っただけです」

病院に行った帰りに立ち寄っただけだが、それは嘘ではない。

察しのいい柊吾に怪しまれヒヤヒヤしながら凛音は答えた。

『なにもなければいいけど、無理はするなよ。……俺がそばにいてやれればよかったのに、ごめんな』

「え……あ、どうして……じゃない。あの、柊吾さんが忙しいのはよくわかってますから気にしないでください。私ならなんとかやってます。平気です」 

小高香波が気になり全然平気ではないのだが、柊吾の前で強がるくせがつい顔を出す。

『それはそれでむかつくな』

「え?」

すかさず拗ねた声で口を挟んだ柊吾に、凛音は首をかしげる。

『俺は寒い北海道で凛音を抱きしめたくて仕方がないっていうのに、凛音は平気なんだよな。俺ひとりが凛音を恋しがってるみたいで、はあ……いい気がしない』

「そんなこと」

『いや、絶対にそうなんだよ。その証拠に電話もメッセージもなにも送ってこなかっただろ』

「それは、だって、おだ……し、仕事だし。邪魔しちゃ悪いから……」




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