身ごもりましたが、結婚できません~御曹司との甘すぎる懐妊事情~
「そんなに長い言葉じゃなかったのに……からかってばかり」

照れる凛音の言葉にもくっくと笑う声が返ってくるだけだ。

明らかにごまかされたとわかり、凛音はしっかり聞き取ればよかったと後悔するが、これ以上尋ねても無駄だろう。

『そうだ、ホテル限定のおいしそうなチョコレートを見つけたから、明日にでもクール便で送るよ。曽我部の分も入れておくから渡しておいてくれ』

「ホテル限定……?」

まさか小高香波と泊まっている、柊吾も馴染みだというホテルだろうか。

凛音の鼓動が大きく跳ねる。

「あの……柊吾さん、えっと……今、どこにいるんですか?」

とっさに口にした言葉に、凛音はハッと手で口を押さえるがもう遅い。

柊吾の答えを身を固くして待った。

『どこって、いつもの白石ホテルだけど?』

「あ……ですよね。ごめんなさい、ぼーっとしてました」

当然だろうとでもいうような柊吾の声に、凛音は言葉を濁した。

とはいえ、だったら小高香波の言葉はいったいなんだったのだろうとさらに訳がわからなくなる。

「だったら、柊吾さん、あの――」



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