身ごもりましたが、結婚できません~御曹司との甘すぎる懐妊事情~
『ぼんやりするって、やっぱり体調がよくないんだよな。……あーあ。今すぐ帰って凛音をとことん甘やかせたい』

「あ、あの」

『というのはさておき、体調が悪いのに起こして悪かったな。時間も時間だから考えないわけでもなかったけど、凛音の声を聞かずに眠れそうになかったんだ』

「わ、私も。ベッドに入っても柊吾さんのことばかり考えて眠れそうになくて」

照れくさそうに話す柊吾の声に背中を押され、凛音は思わず本音を口にした。

『だったらさっさと電話して来いよ。それに平気なんて強がるな』

凛音の素直な言葉に満足したのか、柊吾の声嬉々としている。

その声にごまかしや嘘は感じられず、凛音は自分が柊吾から大切にされているとわかった。

柊吾は仕事にもプライベートにもまっすぐにぶつかり、周囲への愛情も深い。

だとすれば、小高香波と凛音のどちらをも不幸にするようなことをするだろうか……。 

凛音はさらに混乱し、事情を尋ねるにしてももう少し頭を整理してからにしようと決めた。

『あ、明日も体調が戻ってなかったら無理せずに休むんだぞ。それと、なにかあれば、いや、なにもなくても電話してきていいから。わかったな』


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