身ごもりましたが、結婚できません~御曹司との甘すぎる懐妊事情~
「はい……わかってます」

強く言い聞かせる柊吾の言葉に気圧されながら、凛音はこくりとうなずいた。

その後束の間とりとめのない話を続けた後、凛音はようやく電話を切った。

翌日からも、凛音はつわりによる吐き気と目眩をやり過ごしながら仕事を続けていた。

体調不良の原因がわかって気が楽になったのか、以前よりも症状は軽く会社では誰にもまだ気づかれていない。

けれど、そのうちお腹は大きくなりばれるのは時間の問題だ。

凛音は柊吾が北海道から戻るのを待って妊娠を伝えるつもりでいるが、いざ柊吾を目の前にしたとき、うまく話せるかどうか自信はない。

その一番の原因はもちろん小高香波だ。

ふたりが食事をする様子を隠し撮りした写真がSNSに投稿されて以来、それまでスキャンダル知らずだった美人アナウンサーの熱愛として話題になっているのだ。

写真自体は隠し撮りということもあり小高香波の弁護士からの申し入れですぐに削除されたが、いったん拡散されたものを完全に消し去ることはできない。

当の小高香波は肯定も否定もせず、それがさらに騒動を大きくし、治まる気配はまるでない。



< 197 / 256 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop