身ごもりましたが、結婚できません~御曹司との甘すぎる懐妊事情~
昨夜だけでなく今朝も激しく抱かれた影響はかなりのものだと苦笑する。

そのとき、膝の上に置いたバッグから電子音が聞こえた。

見ればスマホにメッセージが届いている。

【俺も今マンションを出た。忙しくてもランチはしっかりと食べろよ】
 
予想通りの柊吾からのメッセージだ。

凛音も素早く返事を送る。

【柊吾さんも忙しいからといってコーヒーだけで済ませるのは厳禁ですよ】
 
凛音が送信してすぐに既読となり、すぐに返事が届く。

【了解】
 
あっさりとした返事を確認し、凛音は口元を緩めた。

柊吾は今駅に向かっているのだろう。

仕立てのいいスーツを着こなし颯爽と歩く姿を想像してドキリとした。

一年もの間柊吾の近くにいて何度も抱き合っているのにもかかわらず、今も柊吾を想うだけで胸が高鳴り会いたくてたまらなくなるのだ。

凛音は再びスマホを操作し、柊吾の写真を呼び出した。

ふたりで出かけたときに一緒に撮ったものや自宅で仕事をしている横顔を隠し撮りした写真。

旅行先で現地の人たちと笑い合っている写真もある。


< 20 / 256 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop