身ごもりましたが、結婚できません~御曹司との甘すぎる懐妊事情~
両手はお腹に置かれ、そこを守るように体を丸めている。

「岡崎さん、やっぱり君……」

つらそうに目を閉じ顔を歪めている凛音を見ながら、瑞生は確信するように小さくうなずいた。

「岡崎さん、妊娠してるんだね」

「え……」

「間違いないよね。美潮……僕の妻も妊娠していてね、岡崎さんのように吐き気と目眩でつらそうなんだ」

妻を思い出し愛しげに話す瑞生の声に、凛音はそれまで閉じていた目をそっと開いた。

「本当はね、少し前からそうじゃないかと思ってたんだよ」

「社長……」

柊吾にもまだ知らせていないのだ、凛音は瑞生の言葉を否定しようかと考えたが、瑞生の穏やかな声と温かい視線を受け止め、観念したようにこくりとうなずいた。

すると、ホッとしたような瑞生の吐息を頭上に感じた。

一瞬、瑞生の口から柊吾に伝わるかもしれないと不安がよぎったが、当面その心配はないだろうと思い直す。

もしも瑞生が柊吾と凛音の関係を知っていれば、見合いの件をわざわざ凛音に伝えるわけがない。

おまけにさっきの小高香波との電話では彼女と柊吾の結婚を喜んでいた。



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