身ごもりましたが、結婚できません~御曹司との甘すぎる懐妊事情~
だとすれば、やはり瑞生はなにも知らないはずで、ふたりの間に凛音の話題が出る機会は当面ないだろう。

凛音はわずかに残る目眩を意識しながら瑞生の腕の中から離れ、座り込んだまま頭を下げた。

「ご心配をおかけしてすみません。社長がおっしゃるとおり体調が悪いのは妊娠が原因です。つわりがひどいようで……」 

「そうか。やっぱり……。あ、じゃあこんなところに座り込んでる場合じゃないな。ソファにでも座って……体がつらいなら横になってもいいぞ」

瑞生ははっと気づいたように声をあげ、遠慮する凛音にかまわず慎重に凛音を立ち上がらせた。

「ありがとうございます」

瑞生に強制的にソファに連れて来られ、凛音は居心地の悪さを覚えながら腰を降ろした。

すると目の前のソファに瑞生も腰をおろし、凛音の様子を心配げに見つめている。

「妻がそうだったけど、岡崎さんもつわりのせいで少し痩せたかな?」

「あ……はい。少しですが」

クリニックで調べたとき、普段よりも2キロほど痩せていた。

「食べられないものも多いので仕方がないんですけど。お医者様が今は気にしなくていいとおっしゃってくださったので、大丈夫です」



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