身ごもりましたが、結婚できません~御曹司との甘すぎる懐妊事情~
「突然ここに連れて来られて驚いたでしょう? 兄って強引で押しが強くて家族は大変なの。思い込んだら周りが見えなくなるのは親族みなそうなんだけど……。だから香波ちゃんだって……」

「あの……?」

目の前でぶつぶつ話し始めた苑花に、凛音は首をかしげた。

「あ、ごめんなさい。じゃあ、中にどうぞ。まずはお茶でも飲みながらお話しましょう」
「お話……?」

凛音はなんの話をするのだろうと不思議に思ったが、ヘアスタイルの希望を聞かれるのだと気づき、苑花の後をついて店に足を踏み入れた。

「車は大丈夫だった? 妊娠中、私は車の匂いがだめでどうしても乗らなきゃいけないときは必死だったの。あ、お茶のおかわりはどう?」
 
苑花はティーポットを手に、紅茶のおかわりを勧めるが、既に二杯飲み終えてこれ以上飲めそうにない。

「いいえ、たくさんいただいたので大丈夫です」

凛音はやんわりと遠慮する。

「そう? これはノンカフェインだから気にしなくても大丈夫よ。あ、茶葉のストックがたくさんあるからいくつか持って帰ってね」

「あ……ありがとうございます……でも、あの」



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