身ごもりましたが、結婚できません~御曹司との甘すぎる懐妊事情~
「そうだな、たしかにいい写真だ。おまけに両家そろってふたりの結婚に賛成でなんの問題もない。そんな記念の写真なら身内に撮らせてほしかったよ。マスコミに撮られるなんて最悪だ」
 
柊吾は面倒くさそうに言い放ち顔をしかめた。

「柊吾さん、あの、それで。兄っていうのはいったい」

凛音は小高香波の結婚はもちろんだが、彼女の婚約者が柊吾の兄だということの方が気になった。

だとすれば柊吾は現職の大臣の息子だ。

「柊吾さんも、もしかしたらいずれ政治家になるの――」

「ならない。絶対にならないから安心しろ。あの世界は生半可な覚悟で入る世界じゃないし……俺は他に背負うものがあるからな」
 
柊吾は凛音の頼りない声をあっけなく遮った。

「たしかに父親は政界入りを拒否してる兄に代わって俺を政界に送ろうと今まで何度も説得してきたけど、俺にその気はない。何度そう言っても諦めなくて、あのひとには手をやいていたんだよ。だけど兄が小高さんと結婚すると言い出して風向きが変わった」
 
柊吾の話に、凛音は眉を寄せる。




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