身ごもりましたが、結婚できません~御曹司との甘すぎる懐妊事情~
「ちょっと待って……。柊吾さんは川北大臣の息子……なのにどうして名字が違うの? もしかしたら、うちと同じでご両親は離婚されたの?」

以前凛音が両親の離婚の話をしたときに、柊吾は自分も同じようなものだと言っていた。

柊吾の名字は壬生だ。凛音は柊吾が両親の離婚で母親に引き取られたのだと考えた。

「いや、離婚じゃない」

凛音の言葉に柊吾は頭を横に振る。

「俺の母親は川北春己の愛人だったんだ。未婚で俺を産んで育ててくれた」

「え、愛人……未婚」

再び想像もしていなかった言葉を耳にし、凛音は言葉を失う。

「といっても、認知されて相場の何倍もの養育費が支払われた。おまけに母は生まれながらの令嬢だ。経済的に不自由した記憶はないし引け目を感じたこともない」
 
柊吾はあっけらかんと話し、凛音の手にあるタブレットに指を滑らせた。

「これが母親が経営している会社だ」

「経営って、お母様は社長かなにか?」

「そう。これが母。代表取締役社長壬生咲子。今年還暦を迎えてもフルマラソンを完走するパワフルな女社長」

タブレットを見ると、企業のホームページが表示されていた。


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