身ごもりましたが、結婚できません~御曹司との甘すぎる懐妊事情~
会社概要や経営理念が続き、社長の顔写真。

還暦を過ぎているとは思えない若々しい笑顔の綺麗な女性だ。

そしてページの上部には『壬生レジデンス』の文字。

「壬生レジデンスって……え、あの壬生レジデンス?」

不動産の設計や建築をはじめ賃貸借や売買など幅広く手がける大企業だ。

CMを見る機会も多く、誰もがその名前を知っている。

「こんな一流企業の社長が柊吾さんのお母さん……」

凛音は社長の顔をまじまじと見る。

きりりとした大きな目が印象的な美人で柊吾の整った容姿は母親譲りのようだ。

「驚かせて悪かった。母は創業家の娘で三代目社長だ」

「お母様が三代目……」

父親の話をしていたときとはまるで違う柊吾の真摯な話しぶりに、凛音はふと思い出す。

これまで何度か柊吾のことをハギモリビールを社長とともに盛り立てていく幹部候補などと言ったが、そのたび柊吾は曖昧な表情で聞き流していた。

それはきっと、母親の会社の存在が頭にあったからに違いない。

「凛音、出張に出る前にも言ったけど、話がある」

柊吾は凛音の顔をまっすぐに見つめ、覚悟を決めたように口を開いた。



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