身ごもりましたが、結婚できません~御曹司との甘すぎる懐妊事情~
笑い声をあげながら柊吾の肩に頭を乗せてしがみついた。

「おい……まだ話は終わってないぞ。それにセフレってなんだよ。俺は凛音をそんなふうに思ったことは一度もない」

荒い口調で声をかけながらも柊吾は凛音の身体を抱き留め、つられるようにくっくと笑い出した。

「小高さんとの写真とか、俺の電話に小高さんが出たこととか、気になってるんだろう? 曽我部からかなり荒れた電話をもらったぞ。ちゃんと話すから……凛音?」

柊吾がやんわり引き離そうとするも、力一杯しがみついている凛音は頭を横に振るだけで離れようとしない。

それどころかもぞもぞと身体を動かし、まっすぐ伸びた柊吾の足に腰を降ろした。

「全部あとで聞かせてください。今はとても幸せだから他の女の人の話は聞きたくない」

柊吾の肩口に顔を埋めたまま、凛音はくぐもった声でつぶやく。

「今はただこうしていてほしいです」

「……わかった。好きなだけこうしていてやる」

いつまでも顔を見せない凛音に苦笑し、柊吾は凛音のお腹を気にしながらそっと抱きしめた。

それに応えるように凛音もいっそう強くしがみついた。






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