身ごもりましたが、結婚できません~御曹司との甘すぎる懐妊事情~
「大したことじゃない。俺が北海道にいるときに凛音がマンションで騒ぎに巻き込まれるのだけは避けたかったんだ。瑞生と苑花さんが協力してくれて、俺が凛音を迎えに行くまで引き留めてくれたし」

「そんな……社長はなにも言ってなかったのに」

柊吾は事情を知り呆然とする凛音の頬に手を当てニヤリと笑った。

「この間凛音がこのマンションを気に入ったからここに移ったけど、実は他にも候補があったんだ」
「候補?」

このマンション以外に柊吾から勧められた記憶はなく、凛音は首をかしげた。

「俺の名義になってるからいつでも向こうに移れるけどな」

柊吾はもったいぶった声でそう言うと、凛音に軽くキスを落として立ち上がった。

「少し待ってろ」

凛音を残し、柊吾はリビングの端にある階段を上がっていった。

上階には柊吾の書斎がありパソコンや仕事関係の書類などが置かれている。

どうしたのだろうと凛音がそわそわしながら待っていると柊吾はなにかを手に戻ってきた。

「それ、本条遙人の写真集ですよね。でも、まだ向こうのマンションにあるはずですけど」

柊吾が手にしているのは本条遙人の写真集だった。



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