身ごもりましたが、結婚できません~御曹司との甘すぎる懐妊事情~
そう告げると同時に柊吾は気づかうように凛音の額にキスを落とした。

「俺の過去の恋愛話なんて凛音は聞きたくないよな。だけど、いずれ俺が瑠依と身内になるなら話しておいた方がいいから」

柊吾の手が凛音の顔をすくい上げ、お互いの目を合わせる。

凛音は力強くうなずいた。

「瑠依との別れはそれが最善の選択だと思ったし彼女の幸せを願った。ただ、面倒な問題をなんとしてでも解決して瑠依との付き合いを続けるという覚悟を持てない自分が情けなくて、それがつらかったんだ。その覚悟があれば瑠依を悲しませずに済んだかもしれないからな」

「そんな……」
 
凛音が小さくつぶやくと、柊吾が心配そうに凛音の顔を覗き込んでくる。

「瑠依は凛音の姉だ、聞いて気分がいい話じゃないよな」

凛音の反応を気にする柊吾に凛音は首を横に振る。

「平気です。柊吾さんが悪いわけじゃない……もちろん姉さんだってそうです」
 
柊吾は口にしないが、別れを切り出したとき瑠依は別の男性との子どもを身ごもっていた。

柊吾との関係に悩んでいたかもしれないが、先に気持ちを別の男性に向けたのは瑠依の方だ。



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