身ごもりましたが、結婚できません~御曹司との甘すぎる懐妊事情~
「たとえ柊吾さんが私との付き合いを続ける覚悟を持てなくても、その分も私が強い覚悟を持って側にいます。それが私の答えです。だから心配しなくても大丈夫です……あ」
 
凛音は勢いよくそう言った途端我に返り、気まずげに目を逸らした。

「凛音……」

柊吾は凛音の身体を強く抱きしめ、彼女の肩に顔を埋める。

「つらかったといっても、結果的に俺は瑠依と簡単に別れてそれを一度も後悔しなかった。だけど、今も状況はそのときと変わっていないのに凛音と別れるなんて考えられない。たとえ面倒に巻き込んで苦しめて泣かれても、一生愛して守り続けようと決めてるんだ。絶対に別れてやるもんか。凛音は……それにお腹の子どもも俺のものだ」
 
きっぱりと言い放つ柊吾の言葉が胸に響き、凛音の全身を覆っていた不安定な感情が消えていく。

自分は瑠依の身代わりでもセフレでもなかったのだ。

「はい……私は柊吾さんだけのものです」

凛音はうれしさのあまり涙がこぼれるのもそのままに柊吾に抱きついた。

「だったら柊吾さんも私だけのものです。絶対に離れないで」

「当然だ。俺はなにがあっても離れないからな。もしも凛音が別れを切り出したら、凛音が逃げ出さないようにすぐにでも閉じ込める。それこそ例の美術館の上のマンションにでもな」

「あ……それ、なかなか魅力的です」

部屋に閉じ込められ柊吾に愛でられる自分を想像し、凛音は期待に満ちたため息を漏らした。




< 250 / 256 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop