身ごもりましたが、結婚できません~御曹司との甘すぎる懐妊事情~
瑞生はこの一週間出張で海外に行っていて、昼前に到着した便で帰ってきたのだ。

「今日はおめでとう。間に合ったようでよかったよ。悪いが俺が席に着くまで入場は待て」

軽く息を切らせ冗談交じりにそう言うと、瑞生は凛音のドレス姿に目を留めた。

「岡崎さん、本当に綺麗だよ。柊吾と並ぶと美男美女で圧巻だな。あ、今日は芸能関係の人間も招待されてるようだから、もしかしたらスカウトされるかもしれないな」

「なに言ってるんだよ。スカウトなんて、俺が許すわけがないだろ」

冗談とわかる瑞生の言葉に、柊吾はいきなり気色ばんだ。

それまで楽しげに下がっていた目尻も上がり、瑞生を睨んでいる。

「はあ……。本気で怒るなよ。冗談だよ。だけどこれだけ綺麗だとあってもおかしくない話だよな。いっそ香波みたいなアナウンサーでも目指して――」

「瑞生、遅れてきたくせにうるさいんだよ。さっさと会場に入れよ」

柊吾は声を弾ませ話し続ける瑞生に呆れ、会場を指差した。

「早く席についてスピーチの確認でもしてろ」



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