身ごもりましたが、結婚できません~御曹司との甘すぎる懐妊事情~
優しい柊吾のことだ、たとえ無意識だとしても瑠依の身代わりとして凛音を抱いていたと気づけば責任を感じ、瑠依への想いを秘めたまま凛音との関係を続けるのだろう。

そんな、凛音だけでなく柊吾も不幸になるような未来は望んでいない。

いずれくる別れを覚悟していた……はずなのに。

もともと食欲が落ちていた中、柊吾の見合いの話を聞いただけで凛音は目眩を感じるほどのショックを受けた。

ときおり感じていた吐き気も頻度を増している。

諦めているつもりでも、心の中では柊吾に愛される未来を期待していたのだと、自分の覚悟の甘さに落ち込んだ。

凛音は普段の倍以上の時間をかけて駅にたどり着いた。

「どうしよう……」

今は平気な顔で柊吾と会えそうもない。

会えばその資格もないのに見合いの件を問いただしてしまいそうなのだ。

しばらく悩んだ後、凛音は柊吾のマンションではなく自宅に向かう電車に乗り込んだ。

そして座席に腰掛けてすぐ、気が変わらないうちにと柊吾に今日は自宅に帰るとメッセージを送った。



 


< 35 / 256 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop