身ごもりましたが、結婚できません~御曹司との甘すぎる懐妊事情~
凛音は入浴前になにか食べておこうと思い、スマホをキッチンのカウンターの上に置いた。

そしてエプロンを身につけたとき、来客を告げるインターホンの音が響いた。

まさかもう仙台牛が届いたのだろうかとモニターを覗くと。

「え……柊吾さん?」

一階玄関に立つ柊吾の姿が映っていた。

「エプロンを着けているくらいだからそれほど体調は悪くないようだな」
 
勢いよく玄関のドアを開いた凛音の姿を見下ろし、柊吾は開口一番そう言って息をついた。

「いきなり自宅に帰るなんてメッセージをよこすから相当体調が悪いのかと心配したんだ」

「それは……。ゆっくり眠りたいし体調もいいとは言えないけど……あの、まさか心配してわざわざ?」

「そうだ。打ち合わせの後スマホを確認して驚いた。ずっと俺の部屋に帰ってたのにどうした、突然」
 
柊吾はいぶかしげにそう言って凛音とともに玄関に身を滑り込ませると、ドアが閉まると同時に鍵をかけ凛音をドアに押しつけた。

「え、柊吾さんっ」
 
凛音は驚き慌てて逃れようとするも、柊吾の力には敵わない。

「熱はないようだな」
 


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