身ごもりましたが、結婚できません~御曹司との甘すぎる懐妊事情~

その後凛音は柊吾に急かされながら荷物をまとめ、柊吾の車に押し込まれた。

柊吾の車は有名芸能人や大企業の役員たちも乗っている国産の高級車。

価格は凛音の年収以上だ。

ダークブルーのセダンはスタイリッシュな外観が目を引き広い車内は内装にも柊吾のこだわりが見え隠れしている。

初めて乗ったときは納車されてすぐだったせいか車内には本革の匂いが残っていた。

それから一年、凛音は車に乗るたび柊吾がこれほどの高級車をどうやって手に入れたのだろうかと不思議に思う。

車だけでなく柊吾が住むマンションも同様で、単なるサラリーマンが簡単に買える価格ではないはずだ。

考えてみれば身につけているものもセンスがよく極上の物ばかり。

恋人でもない自分に深入りする権利などないのはわかっていても、柊吾のことをなにも知らない自分に改めて気づき、凛音は胸に鈍い痛みを覚えた。

「体調はどうなんだ? 食べられそうならどこかに寄って帰ってもいいぞ」
 
助手席で考え込んでいた凛音は、柊吾の声に慌てて身を起こした。

「あ……体調は大丈夫です。あの、食事なら柊吾さんの家で作りますよ」
 
柊吾が迎えに来るまでは目眩や吐き気があったが、柊吾の顔を見た途端改善し食欲も出てきたのだ。

「あ、柊吾さんが好きなポトフでも――」

「それは明日でもかまわない」



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