身ごもりましたが、結婚できません~御曹司との甘すぎる懐妊事情~
「とても感じのいいお店ですね。お料理もおいしいし、ワインの品揃えもよさそうですよ。柊吾さん、車だから飲めなくて残念ですね」
 
食後のコーヒーを飲む柊吾に、凛音は身を乗り出してささやいた。

「いや、別にかまわない。それよりも俺に気を遣わず凛音は飲んでいいんだぞ」

「私も平気です。おいしいワインなら柊吾さんの家のセラーにあるものをいつもおいしくいただいていますから。それに、今日は寝不足だから飲んだらすぐに寝ちゃいそうです」
 
そう言って小さく肩をすくめる凛音に、柊吾は納得したように笑った。

「それにしても、こじんまりしていて居心地のいいお店ですよね。住宅地の真ん中にあるのも意外すぎます」
 
柊吾が連れてきたイタリア料理店は、ここ最近開発整備が完了した郊外の住宅地にあった。

私鉄や地下鉄が乗り入れるターミナル駅から徒歩圏内にあり、幹線道路や高速の出入口からも近い。

辺り一帯には大手ゼネコンや設計事務所が手を組み建設にあたったショッピングモールをはじめマンション群が建ち並んでいる。


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