身ごもりましたが、結婚できません~御曹司との甘すぎる懐妊事情~
広い敷地の中には緑豊かな公園や小中学校も設置され、その美しい街並みも相まって人気のエリアとなっている。

マンションと戸建てが点在する区画の中には雰囲気のいいレストランが何店舗かあり、そのひとつのトラットリアにふたりは来ているのだ。

店は高級感溢れる三階建ての低層マンションの敷地に隣接していて、店自体も白い石造りの外壁と大きく取られた窓が目を引いている。

まだ三十代だというシェフとその妻が作り出す料理はどれもおいしく、店内に心地よく響く客の笑い声に自然と頬は緩む。

凛音は料理を楽しんだ後、デザートのパンナコッタに舌鼓を打っている。

甘みの強い生クリームの風味に甘酸っぱいストロベリーがよく合い、あっという間に完食した。

「俺の分も食べていいぞ。料理は残してもデザートは食べられるんだな。まさに別腹」
 
柊吾はクスクス笑いながら自分のパンナコッタを凛音の手元に置いた。

「……別腹、その通りですね。いただきます」
 
凛音は遠慮がちに手を伸ばしつつも、柊吾のパンナコッタを堪能する。

凛音はいざ料理を目の前にするとやはり食欲が出ず、結局アラカルトで注文した料理のほとんどは柊吾が引き受けた。


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