身ごもりましたが、結婚できません~御曹司との甘すぎる懐妊事情~
普段なら軽く食べられる量だったが、胃の調子がよくないのかなかなか料理に手がのびなかったのだ。

「それほどうまいのか? まるで今日のメインはパンナコッタだな」
 
コーヒーを飲みながら笑う柊吾に、凛音は「とってもおいしいですよ」と即答した。

朝から、というよりここ最近なかなか食が進まなかったが、これはおいしく食べられる。

「もともと甘いものは好きですけど、このストロベリーの酸味が最高で、本当に食べやすいですよ。あ……ひとくちどうですか?」
 
凛音は目の前で寛ぐ柊吾の目の前にパンナコッタを乗せたスプーンを差し出した。

柊吾までは少し遠くてわずかに中腰の姿勢で柊吾がパクリと食べるのを待つ。

「ん……?」 
 
柊吾は一瞬面白そうに笑うとゆっくりと体を起こし、凛音が差し出すパンナコッタを唇で食むように口に入れた。

その間柊吾は凛音を観察するようにじっとりと眺め、見せつけるように唇に残ったパンナコッタを舌でなめ取った。

その色気に凛音の体が震える。

ちらりと見えた舌の動きにも体が反応し、これまで何度も交わした深いキスがよみがえる。


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