身ごもりましたが、結婚できません~御曹司との甘すぎる懐妊事情~
柊吾はマンションに着くと凛音の手を引きそのままバスルームに直行した。
二十四時間バスが設置されているおかげでいつでも好きなタイミングで入浴できるのだ。
初めてではないとはいえ、明るい中柊吾に全身を見られるのは恥ずかしく、凛音はたっぷりの湯が張られた広い浴槽の中で三角座りで体を小さく丸めている。
体も顔も赤いのはのぼせているわけではなく、慣れないこの状況に照れているのだ。
「気分はどうだ?」
抵抗する凛音の体をたっぷりの泡で洗い終えた柊吾は、満足げな表情のまま凛音の背後に体を沈めた。
「なんだもう赤くなってるな。のぼせたのか?」
柊吾は伸ばした足の間に凛音を抱き寄せ、頑なにうつむいたままの凛音の顔を覗き込む。
「まさかもう寝てるのか?」
「寝てません。恥ずかしすぎて寝られるわけがないです。じ、自分の体は自分で洗えます。なのにあんなにじっくりと……。次はだめですからね。それに善処するって言ったのに、とっくに長湯です」
つっかえながらも柊吾に文句を言い、凛音は唇を尖らせた。