身ごもりましたが、結婚できません~御曹司との甘すぎる懐妊事情~
「遅刻ギリギリなのに、途中で降ろせるわけないだろう? このまま会社の駐車場に着けるぞ」

「それは困ります。柊吾さんと一緒のところを見られて噂にでもなったらどうするんですか」

「別にどうもしないけど? 正直に答えればいいし。俺と凛音が――」

「そ、それはまずいです」
 
凛音は体ごと柊吾に向き直り、首を大きく横に振る。

ふたりがセフレのような関係だと正直に答えるなど絶対にやめてほしい。

というよりも答える必要などまったくない。

「柊吾さんは社内で有名で、将来は社長の右腕として活躍するに違いないって期待されてますから。私との関係が知られるとまずいです」
 
もしも凛音が柊吾の恋人だとしても、入社以来エリート街道を順調に進み続け、見た目も抜群。

そんな柊吾の恋人となれば、かなりのレベルの女性でなければ周囲が納得しないはずだ。

自分がそれに当てはまるとはどうしても思えない。

それになにより、自分は単なるセフレというだけでなく瑠依の身代わりなのだ。

自分なりに納得し受け入れているとはいえ、凛音は誰にも言えないその事実に落ち込んだ。



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