身ごもりましたが、結婚できません~御曹司との甘すぎる懐妊事情~
体調不良のせいか、以前にも増して精神状態が不安定で落ち込みも激しい。

今も目の奥が熱く、気を緩めると涙がこぼれそうだ。

「凛音、どうした? やっぱり体調が悪いのか? 朝もあまり食べてなかったし」
 
うつむく凛音に柊吾が気遣うように声をかける。

同時に、目の前の信号は青に変わっていて後ろの車から軽くクラクションを鳴らされた。

柊吾はまだなにか言い足りないのか一瞬顔をしかめ、渋々車を発進させた。

「凛音のフレンチトーストもほぼ俺が食べたし」
 
少し混んでいる大通りを慎重に運転しながら柊吾が口を開く。

凛音はその声に顔を上げ、沈む気持ちをおしやるようににっこりと笑った。

「あの、今日は遅刻しそうで食べる時間がなくて」

「……昼はちゃんと食べろよ。じゃないとそのうち倒れるぞ。瑞生は手間がかからないから仕事の心配はしてないが、最近の凛音は前にも増して小食だから。……気分が悪くても、食べられるものだけでいいからちゃんと食べろ」

「わかってます。あ、それよりも柊吾さんのお昼は鰻ですね。柊吾さんこそちゃんと食べて、お仕事頑張ってくださいね」

「……なあ、凛音」
 

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