身ごもりましたが、結婚できません~御曹司との甘すぎる懐妊事情~
柊吾は軽くうなずき少し考え込んだ後、窺うように口を開く。

「俺のせいで寝不足なのはわかってるけど、他に調子が悪いとか、気になるところはないのか?」

「他に?」

「ああ」
 
突然聞かれても……とつぶやきながら、思い返してみる。

「たまに目眩があるくらいですけど、それもきっと寝不足が原因です。だから今夜こそちゃんとたっぷり寝ましょうね」
 
柊吾に向かって身を乗り出し、凛音は期待に満ちた表情で柊吾の答えを待つ。

「まあ、善処する。としか言えないな」
 
凛音は返された答えにがっかりする。

「それって結局我慢しないってことですよね」
 
拗ねた口ぶりで文句を口にする凛音に、柊吾「そうだな」とあっさり答える。

「やっぱり」

凛音は助手席に座ったまま軽く足を踏みならし、ため息を吐いた。

「単なる寝不足だとしても、体調には気をつけろよ。それに、もしも……いや。なにか気になることがあったらすぐに俺に言え。わかったな」
 
途中、柊吾はほかにもなにか言いたげな様子を見せたが、気を取り直したように言葉を続け、凛音に言い聞かせた。

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