身ごもりましたが、結婚できません~御曹司との甘すぎる懐妊事情~
凛音はそんな人に言えない関係をドライに受け止められるほど恋愛に器用でもなく、耐えられる自信もない。

結局それは凛音と結婚相手の女性にとってだけでなく柊吾にとっても不幸な選択だ。

現実的な柊吾がそんな選択をするとも思えず、凛音は胸に溢れる違和感に眉を寄せた。

そのとき、エレベーターが停止し扉が開いた。

「あ、おはよう。今日は普段より遅くない?」

ドアが開いたと同時に乗り込んできたのは同期の曽我部史緖だった。

背が高くすらりとしていてスタイル抜群。

黒髪のショートカットがよく似合う美人だ。

柊吾と同じビール事業部で企画の仕事に就いている彼女と凛音は気が合い、親しく付き合っている。

史緒はすでに制服に着替え、束になった書類を手にしている。

「いつも社長に負けず劣らず早く来てるのに、珍しいね」
 
史緖は行き先階のボタンを押しながら、凛音に視線を向ける。

「あ、うん。ちょっと……寝坊しちゃって」

「寝坊? というよりちゃんと寝てる? 顔色が悪いよ」
 
史緖は心配気に凛音の顔を覗き込むと、すっと表情を消した。

「もしかしたら、また壬生課長に寝かせてもらえなかった?」

「えっ」



 
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