身ごもりましたが、結婚できません~御曹司との甘すぎる懐妊事情~
その努力は決して目立たず地味で誰に褒められるわけでもないが、凛音は今の仕事が自分に向いていると感じ、気に入っている。

入社の動機は柊吾に会いたいからという不純なものだったが、結果的には人前に出たり目立つのが苦手な凛音にとって天職ともいえる仕事に就け、幸運だった。

それに、社長秘書に就いたおかげで入社早々柊吾に会えた。

ただ、その後複雑な立場に身を置くことになったのは想定外だったが。

凛音は資料の束をまとめて脇に置くと、パソコンに向かった。

今凛音が確認を終えた資料以外にも、後輩たちが作成する資料のデータが次々と送られてきている。

役員会で使われる資料だけに社外厳秘の重要データもあり慎重に目を通していく。

すると、凛音はその中に修正が必要な箇所を見つけ、パソコンから顔を上げ背後を振り返った。

「伊藤さん、この写真、間違ってるわよ」

「え、写真ですか?」

凛音の背後の席にいる伊藤美結が不安気な声とともに振り返り、凛音のパソコン画面を覗き込んだ。

凛音が確認していたデータは伊藤が作成したものだ。




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