カメラを趣味にしていたら次期社長に溺愛されました
「今、お母さんは?」
「母は私の生活が安定したのを見届けてから再婚して、今は遠くにいます」
「それだと」
新しい世界に飛び込んだ私を心配しているのではないかと言いたいようだ。
そしてその背中を押したのが月城さん自身であることを申し訳なく思っているような不安そうな顔をしている。
「大丈夫ですよ。母は応援してくれているので。あ、でも月城さんの名前、出させていただいちゃったんですけどそれはよかったですか?」
「俺の?」
月城さんは意外そうな顔をした。
「応援してくれる人がいるって…あれ?これ、言わない方がよかったですか?」
聞くと月城さんは微笑んだ。
「いや、構わないし嬉しいよ。でもそれなら挨拶に行かないといけないな」
「挨拶って」
母には恋人が出来たこと、恋人が夢を応援してくれたこと、生活はなんとかやっていけることを伝えただけ。
「挨拶は必要だろう。対面はすぐには難しいだろうから電話をさせてくれないか?」
月城さんの真剣な表情を前に断ることはさすがに出来なくて。
「…あ、お母さん?」
その場で電話をかけた。