カメラを趣味にしていたら次期社長に溺愛されました
「もう、泣かないの。せっかくのメイクが流れて取れちゃうでしょ。あとでお菓子あげるから。ね?泣かないで」
「そうだぞ、のどか。早く終わればじいじとばあばに会えるから。オモチャ買ってくれるって言ってたぞ」
絢音さんと武地さんが交互になんとか宥めようとするけど、のどかちゃんは泣き止まない。
「泣きたくなるよね」
知らない場所に連れて来られた上に、知らない人まで現れたら不安で泣きたくもなる。
「ちょっと待っていてね」
私は一度別室に戻ってからのどかちゃんの前にまたしゃがみ、それから手元を開いて見せた。
「ねぇ、のどかちゃん。これ見て」
流行りのキャラクターのぬいぐるみを見せるとのどかちゃんの泣き声が止んだ。
「これ、実は咲ちゃんが作ってきたの。お祝いのプレゼントに。どうぞ」
受け取るか受け取らないか迷っているのどかちゃんに、すかさず「あ!」と声をあげてスタジオを指差す。