カメラを趣味にしていたら次期社長に溺愛されました
「ねぇ!今、誰か見えなかった?」
「え?」
「あ、ほら、見て!やっぱりなにかいる!」
スタジオ内を見え隠れしているのは雪乃さんだ。
「あれは!」
「ニャンニャンだ!」
さっき戻った時に雪乃さんに猫耳をつけてもらえるよう頼んでおいた。
それはのどかちゃんだけにしている訳ではなく、泣いている子がいる時にはいつもしていること。
だから雪乃さんもいつも通り、機材の影に隠れ、見つけやすいように少しだけ猫耳を出して待ってくれている。
「あっちかな?」
「あっちだよ!」
雪乃さんを見つけたのどかちゃんは草履のおぼつかない足で雪乃さんの姿を探すようにスタジオに入っていく。
「ほら、ニャンニャン、みーつけた!」
「アハ。見つかっちゃったニャン!」
猫耳をつけた雪乃さんが戯けてみせた。
私は小さく親指を立ててから次の準備に動く。
「こんにちは!私はゆきのニャン。よろしくニャン。それからこれはお祝いのプレゼントだニャン」
雪乃さんが渡したのは着物を着たプリンセスのぬいぐるみ。
「かわいい」
「このお姫様は咲ちゃんがね、可愛くメイクしてあげているニャン。のどかちゃんもしてみるニャン?」
のどかちゃんが私の方を見上げたので可愛いデザインのメイク道具を見せると、目を輝かせた。