カメラを趣味にしていたら次期社長に溺愛されました
それからというもの。
「加藤さん、いるか?」
「加藤さん、ちょっと」
「加藤さんに頼みがあるんだが」
「加藤さんに同行してもらいたい」
月城さんからの指名が露骨に増えた。
月城さんと仕事をするのは初めてだから細かい指示がないとなにを求めているのかわからないのにそれはなく、手探りで仕事を進めるのは想像以上に大変で、残業は当たり前。
休日出勤しないと準備は間に合わない。
そのうち社長から同情の目を向けられるようになり、大変だろうからと、ある日から月城さんに呼ばれたらそちらを優先するよう言われ、一ヶ月経った時点で月城さん専属の秘書になった方が体のためだと辞令までおりた。
「羨ましいわ〜」
そう言う秘書課の先輩や女性社員に何度「代わってください」と言いたかったことか。