カメラを趣味にしていたら次期社長に溺愛されました
「どうして私だったのでしょうか」
我慢の限界だった。
こんなことを言うはずではなかったのに。
疲れ果てた体が、口が思ったことを言葉にしてしまう。
陰口を叩かれ始めているという追い打ちを真紀から聞かされたということもあった。
「社長に取り入った」とか「体を売った」とか「弱みを握っている」とか。
売れるような体ではないし、弱みを握ったところで陰口叩かれることが分かりきっている月城さんの側に寄ろうなんて思わないのに。
最近ではコミュニケーションが取りにくくなり、他部署とのやり取りにも気を使うようになってしまった。
中でも一番堪えたのは撮影の依頼が途絶えてしまったこと。
撮影させてもらう機会を失くし、今はカメラを手にしても景色しか撮れない。
でも月城さんにはそんな個人的な問題など関係ないようで聞いているのかいないのか、わからないような態度だ。
「すみません」