カメラを趣味にしていたら次期社長に溺愛されました

「これ全部咲の手作りか?」

ダイニングテーブルに並べていくと月城さんは驚いたように言う。

「手作りですよ」
「すごいな」
「簡単なものばかりで…お口に合えばいいのですが」

最後にお味噌汁を置き、向かいの席に座ると月城さんは両手を合わせた。

「いただきます」

私も同じようにしてから箸を持ち、全ての料理を口にした月城さんに問う。

「いかがですか?」
「うん。どれもすごく美味しいよ。俺好みの味付けで箸が進む」

その通りに月城さんは黙々と食べ進めてくれる。
嬉しくて月城さんの食べる姿を見ていたら「咲も食べて」と言われてしまった。

「いただきます」

正直、味見のし過ぎでお腹いっぱいだったけどなんだかんだで完食してしまった。

「お腹いっぱい」

言いながらお皿を洗っていると、その間に月城さんがコーヒーを挽いて淹れてくれる。
コーヒーのいい香りがキッチンに広がった。
片付けを済ませてソファーに腰掛け、ひきたてのコーヒーをいただくのは至福の時間だ。
でも今日は「誤解」が何なのか、それを聞きにきた。
月城さんもそのことが分かっているからだろう。
コーヒーをひと口飲むと別室からUSBを持ってきて、タブレットに差し込み、ジッと読み込むのを待っている。

「咲」

呼ばれて隣を向くとカウンターキャビネットの上に例の写真が置いてあるから取ってきて欲しいと言われた。

立ち上がり私が本棚から見つけた綾音さんの写真を手に取り戻る。
そしてまた月城さんの隣に腰掛け、ローテーブルの上に写真を置くと月城さんはチラッと写真を見た。
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