カメラを趣味にしていたら次期社長に溺愛されました

「私、服部くんのことは好きですけど、それは異性としてではなく、友達、カメラ仲間としてです」
「男と女の間に友情なんて芽生えるか?」

聞かれて首を傾げる。

「私は異性の知り合いが少ないので確かなことは言えませんが、少なくとも私と服部くんの間にあるものは友情だと思っています。月城さんに恋をしてはっきりしました」
「服部はそう思っていなかったと思うが…って悪い」

月城さんは私の頬から手を離し、顔を背けた。
その拍子に私も手を離す。

「咲が違うと言っているのに往生際が悪いよな。ごめん。少し頭を冷やす…って咲?!」
「嬉しいです」

私は月城さんの体に抱きついて言う。

「月城さんの気持ち、すごく嬉しいです。私も返せたらいいのに」
「それなら」

月城さんは体に回していた私の腕を解くと、私の顎にそっと手を当て、クイっと上を向かせた。

「キスして」
「私から、ですか?!」

確かに気持ちを返せたら、とは言ったけど未経験にも程がある。
でもそれがお返しになるのなら、と背伸びをして月城さんの唇に軽くキスをした。

「これでいいですか?」

恥ずかしさを我慢して聞くと月城さんは満足そうに微笑んで言った。

「足りない」
「えぇ?!」

表情と言葉が合っていなくて驚く私を見て、月城さんは「ハハ」と笑い、それから私の体を抱きしめた。

「可愛い過ぎる」
「揶揄って遊ばないでくださいよ」

むくれて言うと月城さんは腕を解き、顔を覗き込んできた。

「その顔も可愛い。可愛すぎてどうにかなりそうだ」

月城さんの瞳が私の瞳を右、左とゆっくりと交互に見つめる。
その熱を帯びた瞳に見つめられて私の鼓動は急加速していく。

「あの」

耐えられなくて声を掛けると月城さんが私の名前を呼んだ。
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