身代わり政略結婚~次期頭取は激しい独占欲を滲ませる~
それから、少しぶらりとウインドウショッピングをして、成さんのセレクトで一軒のお店に入った。
外観から店内まで可愛らしい造りの、オシャレで凝っているスイーツ店。
私は雑誌で見たことがあっただけで、来たことはない。
雑誌に取り上げられるくらいだから、やはり人気みたいで店内も賑わっていた。
「成さんすごいですね。こういうお店にも詳しいなんて」
私はオーダーしていたパンケーキを頬張りながら、思わず感嘆の息を漏らした。
成さんはコーヒーのみ。優雅にコーヒーカップを手に取って、ひとくち含む。
静かにソーサーに戻した後、彼がぼそっと言った。
「いや。詳しくはない。実は梓が喜ぶかと思って調べておいた」
「えっ……」
予想外の回答に、きゅんとする。照れくさくて、私は視線を店内に泳がせた。
たまたま斜めの席に目が留まる。そのテーブルには、女性ふたりが向かい合って座っていて、奥のソファの女性は子供を抱っこしていた。
わあ、可愛い。まだ一歳になるかならないかくらいかな? 周りから人の話し声がしてるのにぐっすり寝てる~。
うっかり見入ってしまったら、成さんが私の視線の先に気づいた。
「子供?」
「あ、はい。あの寝顔めちゃくちゃ可愛い~」
身近に小さい子供がいないから、余計にめずらしくてついつい見てしまう。
あの安心しきった寝顔が堪らない。
「癒されますね。けど、子育てって大変なんでしょうね」
小さければ小さいほど、極力離れられないんだろうし、こういう場所もひとりでゆっくりできないんだなあ。
「梓は子供ほしい?」
ふいに投げかけられた質問にぽかんとする。
次第に、なんだか将来の話をされている錯覚に陥って、気恥ずかしくなる。
「そ、そうですね。大変と思っていても……やっぱり、授かれるならほしいかな」
私はごまかすように俯いて、パンケーキにナイフを入れた。
すると、成さんがくすっと笑いを零す。
「ごめん。想像したらつい」
茫然としていたら、彼はにっこりと口角を上げて言った。
「梓に似て、可愛いんだろうなあって」
その言葉に、危うく手に持っていたカトラリーを落とすところだった。
成さんの真意は読めないけれど、とにかく終始こそばゆくて、私は黙々とパンケーキを平らげた。
外観から店内まで可愛らしい造りの、オシャレで凝っているスイーツ店。
私は雑誌で見たことがあっただけで、来たことはない。
雑誌に取り上げられるくらいだから、やはり人気みたいで店内も賑わっていた。
「成さんすごいですね。こういうお店にも詳しいなんて」
私はオーダーしていたパンケーキを頬張りながら、思わず感嘆の息を漏らした。
成さんはコーヒーのみ。優雅にコーヒーカップを手に取って、ひとくち含む。
静かにソーサーに戻した後、彼がぼそっと言った。
「いや。詳しくはない。実は梓が喜ぶかと思って調べておいた」
「えっ……」
予想外の回答に、きゅんとする。照れくさくて、私は視線を店内に泳がせた。
たまたま斜めの席に目が留まる。そのテーブルには、女性ふたりが向かい合って座っていて、奥のソファの女性は子供を抱っこしていた。
わあ、可愛い。まだ一歳になるかならないかくらいかな? 周りから人の話し声がしてるのにぐっすり寝てる~。
うっかり見入ってしまったら、成さんが私の視線の先に気づいた。
「子供?」
「あ、はい。あの寝顔めちゃくちゃ可愛い~」
身近に小さい子供がいないから、余計にめずらしくてついつい見てしまう。
あの安心しきった寝顔が堪らない。
「癒されますね。けど、子育てって大変なんでしょうね」
小さければ小さいほど、極力離れられないんだろうし、こういう場所もひとりでゆっくりできないんだなあ。
「梓は子供ほしい?」
ふいに投げかけられた質問にぽかんとする。
次第に、なんだか将来の話をされている錯覚に陥って、気恥ずかしくなる。
「そ、そうですね。大変と思っていても……やっぱり、授かれるならほしいかな」
私はごまかすように俯いて、パンケーキにナイフを入れた。
すると、成さんがくすっと笑いを零す。
「ごめん。想像したらつい」
茫然としていたら、彼はにっこりと口角を上げて言った。
「梓に似て、可愛いんだろうなあって」
その言葉に、危うく手に持っていたカトラリーを落とすところだった。
成さんの真意は読めないけれど、とにかく終始こそばゆくて、私は黙々とパンケーキを平らげた。