身代わり政略結婚~次期頭取は激しい独占欲を滲ませる~
「時雨さん。待っている間、私たちもあちらで少しお話しませんか」
「そうですね」
夕花さんに促され、先ほどまで座っていたソファに戻って同時に腰をかける。
向かい合って座るのも緊張しそうだけど、隣り合うのもまた目線のやり場に困るものね……。
どのタイミングで顔を上げようかと迷っていたら、彼女から質問される。
「あの。失礼ですが、あなたは鷹藤様とどのようなご関係で?」
私は無意識に彼女と顔を見合わせた。
そうだ。さっき、特に私たちの関係を伝えてはいなかったから……。
「ええと……私たちはお見合いで知り合いまして……」
ストレートに『婚約者です』と宣言するのもなんだか照れくさくて、濁すように答える。
瞬間、夕花さんの目の色が変わった。
「お見合い? それって最近の話ですよね? 鷹藤様が日本に来られたのは最近だと聞いてますもの」
「えっ……ええ、まあ」
控えめな雰囲気だった彼女が、急に前のめりになってきて動揺する。
得も言われぬ嫌な予感を抱き、つい及び腰になった。
彼女は私の全身をジロジロと見て、衝撃の発言を繰り出す。
「知り合ってからの期間を考えれば、私もあなたもそう条件に大差はなさそうね。ねえ、あなた時雨グループホールディングスのお身内なのでしょう? ほかにもいいお相手いらっしゃるでしょうし、譲ってくださらない?」
流れるようにすらすらと言われたけれど、まったく頭がついていかない。
「そうですね」
夕花さんに促され、先ほどまで座っていたソファに戻って同時に腰をかける。
向かい合って座るのも緊張しそうだけど、隣り合うのもまた目線のやり場に困るものね……。
どのタイミングで顔を上げようかと迷っていたら、彼女から質問される。
「あの。失礼ですが、あなたは鷹藤様とどのようなご関係で?」
私は無意識に彼女と顔を見合わせた。
そうだ。さっき、特に私たちの関係を伝えてはいなかったから……。
「ええと……私たちはお見合いで知り合いまして……」
ストレートに『婚約者です』と宣言するのもなんだか照れくさくて、濁すように答える。
瞬間、夕花さんの目の色が変わった。
「お見合い? それって最近の話ですよね? 鷹藤様が日本に来られたのは最近だと聞いてますもの」
「えっ……ええ、まあ」
控えめな雰囲気だった彼女が、急に前のめりになってきて動揺する。
得も言われぬ嫌な予感を抱き、つい及び腰になった。
彼女は私の全身をジロジロと見て、衝撃の発言を繰り出す。
「知り合ってからの期間を考えれば、私もあなたもそう条件に大差はなさそうね。ねえ、あなた時雨グループホールディングスのお身内なのでしょう? ほかにもいいお相手いらっしゃるでしょうし、譲ってくださらない?」
流れるようにすらすらと言われたけれど、まったく頭がついていかない。