身代わり政略結婚~次期頭取は激しい独占欲を滲ませる~
――夜。
成さんと夕食を終え、お風呂を済ませた後に、私は自然を装って切り出した。
「実は今日、オフィスに紀成剛士さんがいらして……ご挨拶しましたよ」
ソファで寛ぐ成さんを敢えて見ずに、さらりと続ける。
「前にお会いした時、マチラモバイルにいらっしゃると聞いてすぐ、もしかしたらって思ってはいたんですけどね。びっくりしました」
わざわざ報告することでもないとは思いつつ、でも隠すことでもないと思い、悩みに悩んで成さんに伝えた。
本当は、その先に続く話もあるけれど……。
ううん。あれは、剛士さんの質の悪い冗談かもしれないし。
……っていうか、あんな出来事、そう簡単に言い出せないよ。
内心モヤモヤとしていたら、成さんは本を読む手を止め、眼鏡を外して呟いた。
「紀成さんと……? そう」
成さんの反応がなにか含みを持っているものに思えて、自分が不自然だったのかと慌てる。
すると、私の不安をよそに成さんが重そうに口を開いた。
「ごめん。言おうか迷ったんだけど、余計な心配させたくないからやっぱり言うよ。最近よく夕花さんから連絡がくるんだ」
私は彼の告白に目を丸くする。
驚いた理由は、夕花さんからの頻繁な連絡の事実ではなく、包み隠さず私に報告してくれた成さんの行動に。
成さんと夕食を終え、お風呂を済ませた後に、私は自然を装って切り出した。
「実は今日、オフィスに紀成剛士さんがいらして……ご挨拶しましたよ」
ソファで寛ぐ成さんを敢えて見ずに、さらりと続ける。
「前にお会いした時、マチラモバイルにいらっしゃると聞いてすぐ、もしかしたらって思ってはいたんですけどね。びっくりしました」
わざわざ報告することでもないとは思いつつ、でも隠すことでもないと思い、悩みに悩んで成さんに伝えた。
本当は、その先に続く話もあるけれど……。
ううん。あれは、剛士さんの質の悪い冗談かもしれないし。
……っていうか、あんな出来事、そう簡単に言い出せないよ。
内心モヤモヤとしていたら、成さんは本を読む手を止め、眼鏡を外して呟いた。
「紀成さんと……? そう」
成さんの反応がなにか含みを持っているものに思えて、自分が不自然だったのかと慌てる。
すると、私の不安をよそに成さんが重そうに口を開いた。
「ごめん。言おうか迷ったんだけど、余計な心配させたくないからやっぱり言うよ。最近よく夕花さんから連絡がくるんだ」
私は彼の告白に目を丸くする。
驚いた理由は、夕花さんからの頻繁な連絡の事実ではなく、包み隠さず私に報告してくれた成さんの行動に。