身代わり政略結婚~次期頭取は激しい独占欲を滲ませる~
「私は別にいいと思いますよ。そういう方がいらっしゃっても。でもそうですね。だったら、私は仕事が趣味みたいなものかもしれませんね」
人には向き不向きがある。
私は着付けや華道、ピアノとかは得意じゃないけど、今のような仕事は苦じゃない。
そのとき、私のスマホに着信がきた。
ポケットから出して画面を確認し、後で折り返そうと消音にする。
「あれ? それ、もちマロじゃない? 時雨さん好きなの?」
「えっ。ご存知なんですか?」
男性の方からキャラクター名を言い当てられるのはめずらしくて、思わず反応した。
「ああ。前にうちがノベルティで作ったコレクトケースが、そのキャラを使わせてもらってたから」
「へえ。羨ましい」
自分の好きなものの話題になり、ついオフィス内ということや取引先の人ということを忘れて話をしてしまう。
けれども、剛士さんは特に気にしていない様子で、スッとポケットからスマホを取り出すなり、なにか操作していた。
「ちょっと待って……あ。これなんだけど」
そうしてディスプレイを向けられ、私は顔を近付けた。
剛士さんのスマホのディスプレイには、開封されたダンボールにいっぱいのグッズ。
丸いかたちをした手のひらサイズのラウンドケース。もちろん色はもちマロの白色で、ケースのかたち自体が顔の輪郭になっていてとっても可愛い。
しかも、表情のバリエーションがいくつかあるみたい。
めちゃくちゃ可愛くて、完全に素を晒してしまっていた。
私は夢中でディスプレイを観察し、十数秒後にはっと我に返る。
ばつが悪い気持ちで剛士さんを見れば、口を押さえて笑いを堪えていた。
私は気まずくなって視線を泳がせる。
人には向き不向きがある。
私は着付けや華道、ピアノとかは得意じゃないけど、今のような仕事は苦じゃない。
そのとき、私のスマホに着信がきた。
ポケットから出して画面を確認し、後で折り返そうと消音にする。
「あれ? それ、もちマロじゃない? 時雨さん好きなの?」
「えっ。ご存知なんですか?」
男性の方からキャラクター名を言い当てられるのはめずらしくて、思わず反応した。
「ああ。前にうちがノベルティで作ったコレクトケースが、そのキャラを使わせてもらってたから」
「へえ。羨ましい」
自分の好きなものの話題になり、ついオフィス内ということや取引先の人ということを忘れて話をしてしまう。
けれども、剛士さんは特に気にしていない様子で、スッとポケットからスマホを取り出すなり、なにか操作していた。
「ちょっと待って……あ。これなんだけど」
そうしてディスプレイを向けられ、私は顔を近付けた。
剛士さんのスマホのディスプレイには、開封されたダンボールにいっぱいのグッズ。
丸いかたちをした手のひらサイズのラウンドケース。もちろん色はもちマロの白色で、ケースのかたち自体が顔の輪郭になっていてとっても可愛い。
しかも、表情のバリエーションがいくつかあるみたい。
めちゃくちゃ可愛くて、完全に素を晒してしまっていた。
私は夢中でディスプレイを観察し、十数秒後にはっと我に返る。
ばつが悪い気持ちで剛士さんを見れば、口を押さえて笑いを堪えていた。
私は気まずくなって視線を泳がせる。