身代わり政略結婚~次期頭取は激しい独占欲を滲ませる~
 翌朝。
 アラームもセットせず、心ゆくまで眠っていた。

 若干身体の怠さを感じつつ、ゆっくりと起き上がる。

「……成さん?」

 隣を見ればもぬけの殻。窓の外を見ればすっかり明るくなっていて、時計を見たらもうすぐ十時になるところだった。

 私はベッドを降りてリビングへ向かう。
 リビングに入ると、成さんがキッチンに立っていた。

「おはようございます……遅くまで寝てしまってごめんなさい」

 すでにきちっと着替え終わっている成さんに対し、私はパジャマ姿だ。

 いくら一緒に生活し始めてもうすぐひと月とはいえ、されどひと月。恥じらう気持ちはまだ大いにある。

「いいんだよ。昨日は俺が遅くまで寝かせなかったからね」

 成さんは臆面もなく、昨夜を彷彿とさせるセリフをさらりと言う。
 言われた私のほうが恥ずかしくて、赤面した。

「梓みたいな料理はできないけど、簡単なサラダとこれからトーストを用意するから、着替えておいで」

 成さんはコーヒーを用意しながら優しく笑った。
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